先日グーグル広告が過去最高益を上げました。
リスティング広告はBtoCというイメージが強いですよね。
ところが、とあるBtoBのクライアントがしっかりとウェブサイトに投資をした結果、検索エンジンからの流入だけで月15件以上のビジネスのお問い合わせ獲得に成功しています。
そこで、ふと気づきました。
やっぱり今はビジネスパートナーもネットで探すよなー。
BtoBの企業もリスティング広告の効果があげられるのでは?
もちろん信用が大事なので、私もそうですが、一緒に仕事をする会社さんは口コミや紹介が中心になります。それでも周りにどうしてもみつからない職種や、技術、モノにかんしては、やっぱりネットで探します。
そこで、別のBtoBの製造業の企業のA社さんに、リスティングを実施してもらい検証しました。
難しい言葉をなるべく使わずに説明します。
リスティング広告出稿の準備
リスティング広告の効果を最大化するためには、しっかりと準備をすることが何より大事です。
集客における広告という手法は単純に市場にポジションを作るだけですので、マーケティングの視点で、誰に何をどうやって売るのか、やりたいことを明確にする必要があります。
複数のサービスを展開している場合は、わかりやすいサービスの区切り1つに絞って行うことが前提になります。
抱き合わせにして広告するくらいであれば、さらに予算を割って別々に広告をするべきです。
また、最初は手探りにはなりますが、明確な数字による目標を作ることで、達成できないときも達成できた時も要因を検証して、運用のなかで精度を上げていくことが大事です。
目標設定
現状は成功報酬型のテレアポの代行業者さんを利用して、月に数件のアポイント獲得の状況とのこと。
では、リスティング広告を月に○万円で出稿し、月に○回の問い合わせがあれば、単純に費用対効果でこれを上回るため、ひとつのベンチマークとして見ることができました。
まず試しに月5万円で5回の問い合わせ(獲得単価1万円)を目指すことにしました。
リスティング広告は、「検索して探している」「興味があってクリックしている」「返事が欲しいので問い合わせている」というユーザーからのアプローチなので、1回の問い合わせのアドバンテージも、テレアポとは違いがあります。
キーワードの策定
リスティング広告はキーワード選定が重要なポイントですが、最初の設定より運用の中で精度を高めていくほうが比重が大きいと考えてください。
初期設定は「このキーワードでうちの会社を見つけて欲しい」「うちのサービスを探しているユーザーはこんなキーワードで検索しているのでは」「競合他社はこのキーワードで上位にでてくる」などの想像力を広げて、できるだけ多くのキーワードを出していきます。
当初は「部分一致」という、「ワードを含んでいれば表示される」設定で、とにかくたくさんのユーザーにアプローチできるように間口を広げておきます。
商圏なども想定して、地域名も含めておけると良いでしょう。
広告文・ディスプレイ広告バナーの作成
キーワードの検索結果に表示される広告文を作成します。
しっかりとサービスの魅力が伝わる文面にしましょう。
文字数制限内となりますので、いろいろと推敲してみたり、競合他社の広告を見て並んだときに勝てるようにしましょう。
グーグル広告さんのレクチャーでは、選定したキーワードを含む広告分を作成すると良いという話でした。
ディスプレイ広告は、文字だけで訴求するより画像での訴求力があるタイプのサービスの場合、効果を発揮します。
最初は手探りですので、判断が難しいときは間口を広げる意味でも出稿しておいたほうが良いでしょう。バナーサイズはトレンドもあり、様々なサイズに対応する必要がありますが、1枚だけ作成してレスポンシブ広告を使う方法もあります。
ランディングページの作成
単純にリスティング広告をはじめても、ウェブサイトの訴求力がしっかりしていないと無駄になってしまいます。
広告をクリックして、到着する最初のページを「ランディングページ」と呼びます。
キーワードの選定や、広告文、バナーを作成していくと、ランディングページで訴求するべきポイントが明確になっているはずです。
問い合わせにつなげるためのランディングページの構成については、様々な方法が存在します。
ユーザーがどのキーワードで探して、どの広告文をクリックして、ランディングページにたどり着いているか想定してください。
そのユーザーを、お問い合わせに導くのがランディングページの役割です。
初期費用の例
あくまで参考になりますが、グーグルの設定や入力、キーワード選定、広告文作成、商品写真などの撮影、ランディングページ用の構成・文章の作成などを自身で行い、デザインやコーディングを制作会社さんに依頼すれば、以下のような費用感で開始できると思います。
リスティング広告出稿 初期費用の例
・グーグル広告出稿費(初月) 6万円
・バナー画像作成費 4万円
・ランディングページ 20万円
合計 29万円
(表記は全て税別)
リスティング広告の運用開始
さて、準備ができたので、どのように運用していったかプロセスをご紹介します。
開始1ヶ月目〜3ヶ月目
開始初月は、1件だけのお問い合わせにとどまりました。
しかし、正直1件も無いことも想定していたので、良い結果でした。
BtoBの場合、最初の数カ月は情報収集期間と捉えてください。
1ヶ月目のデータが収集できたところから、どのキーワードがどのくらいクリックされているか、目安として見ておきましょう。
しっかりと興味を持ってくれたユーザーのオーディエンス情報も蓄積されているか確認しておきます。
2〜3月目に入ると、問い合わせが2〜3件ほどになり、問い合わせにつながるキーワードもわかってきます。
ここから、予算が限られていて、どう効率よく問い合わせにつなげるか、を考えなければ行けない場合
「たくさんクリックされているけれど、問い合わせにつながらないキーワード」を捨てていく作業になります。
例えば、BtoBのサービスとなりますので、エンドユーザーがクリックしてしまっているキーワードの運用を停止していきます。
これで、少ない予算の中でも問い合わせに繋がる可能性が高いキーワードに予算がまわるようになります。
3ヶ月目〜6ヶ月目
3ヶ月目くらいからアベレージで月間3,4回のお問い合わせが取れるようになりました。
このころには一度訪れたオーディエンス情報がたまっているので、その人達にも追いかけで広告を出していきます
とにかくエンドユーザーと思われるクリックをカットすることが重要です。
キーワードを減らしすぎたかな、と思ったら追加したり、復活させて様子を見ます。
広告表示の時間帯の設定なども、ビジネスユーザーが活動している時間帯に合わせていきます。
そして6ヶ月目で目標の6回の問い合わせ(獲得単価10,000円)を達成することができました。
この後、ディスプレイ広告がコンバージョンにつながっていないので、その分の予算をテキスト広告へまわすことも考えていました。
しかし、この時点でテレアポよりリスティング広告が高効率であることが証明できています。
テレアポに回していた予算をリスティング広告へ振り替えることで、さらに問い合わせ獲得が期待できるでしょう。
まとめ
BtoBだと、問い合わせフォームからの営業メールがたくさん届きます。
ちゃんとしたお問い合わせが埋もれないように気をつける必要があります。
せっかく届いたお問い合わせを、成約までつなげて利益にし、大きな顧客に育てられるかどうかは企業さん次第です。
以上で、BtoB向けにもリスティング広告が有効なことが証明できました。
※業態によっては有効でない場合も存在します。
この記事を生かしてご自身での運用に活用いただければ幸いです。
参考にして、運用を専門業者に任せるのも良いと思います。
私ももっといろいろなクライアントにも提案していけたらと思います。
興味のある方はぜひご相談ください。
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