突然ですが、歌舞伎(カブキ)の話です。
あきる野の名物といえば、おいしい農畜産物、美しい秋川渓谷の自然、そして…
歌舞伎(カブキ)ですよね。
あきる野の歌舞伎は、東京都指定の無形民俗文化財です。
2022年10月16日(日)に秋川歌舞伎あきる野座による、キララホール公演が行われます。
たくさんの人達に見に来ていただきたいのですが…
ぶっちゃけ、歌舞伎ってわかりにくいですよね^^;
時代も違うし、セリフもなにを言っているかわかりにくい。
どうやったらみんな歌舞伎を楽しめるのか
ぜひ一度試してもらいたいのが
「あらすじを知ってから観劇してもらうこと」です。
物語のネタバレにはなりますが、ストーリーがわかっていても面白いのが歌舞伎です。
むしろ私はストーリーがわかってから、歌舞伎が楽しくなりました。
実際、歌舞伎座に行く人達は何度同じ演目を見ていますが、楽しんでいますよね。
それは、演じる役者によって趣が違うのと、やはり生の舞台の迫力があるからです。
と、いうことで今回のあきる野座の公演演目
・大人歌舞伎「絵本太閤記十段目 尼崎閑居の場」
・子供歌舞伎「義経千本桜 伏見稲荷の段」
のあらすじを、できるだけわかりやすく、私の適当な絵とともに説明します^^)/
「絵本太功記十段目 尼崎閑居の場」のあらすじ
時代設定
ベベン
時は戦国時代
「信長(ノブナガ)」という殿様にいじめられていた「光秀(ミツヒデ)」という家来が裏切り、「本能寺」という場所で信長を殺害したという話は有名ですよね。
これは、光秀が信長を殺したすぐあとの話。
光秀のお母さんは殿様である信長を殺した息子に怒り、尼ヶ崎の田舎に引っ越してしまいます。
さてそこに、光秀の奥さんと息子の十次郎(ジュウジロウ)、そして十次郎の結婚相手の初菊が挨拶に来ます。
光秀のお母さんは、孫の十次郎が光秀と共に戦うために戦場へ行くと聞き、その前に初菊とサカヅキ(婚儀)をさせます。
サカヅキの後、すぐに戦場に向かう十次郎。
残った家族は死にに行く十次郎を思って泣きます。
そこに寝床を借りに来た旅の僧侶が「おふろわきましたよー」と来たので、涙を隠してみんな家の奥へ入ります。
実はこの旅の僧侶が、光秀の敵のボスの秀吉(ヒデヨシ)だったのです。
お母さんの家に秀吉がスパイに来ていると知った光秀が、忍び足で家に帰ってきます。
そして、となり部屋で聞こえた物音に向けて…竹槍をひとつき。
ところが、刺したのは秀吉ではなくなんとお母さん…
光秀の奥さんも出てきて「なんなんだあんたは!いろいろやらかして!」と光秀を責めます。
この間に、旅の僧侶に化けていた秀吉は逃げてしまいます。
そこへ戦場で瀕死になった十次郎が帰ってきて、サカヅキをしたばかりの初菊もかけよります。
そして、十次郎は光秀に逃げるように伝え、光秀のお母さんと共に息絶えてしまいます。
光秀はお母さんと息子を同時に亡くした喪失のなか、秀吉を追いかけます。
この最後は秀吉からの提案で、場所を変えてお互い全力で戦おうということになり幕を閉じます。
※劇中は名前が変わります。「秀吉」→「久吉(ヒサヨシ)」
義経千本桜 伏見稲荷鳥居前
べべん
時は平安時代と鎌倉時代の間くらい。
源氏と平家の戦いで活躍した義経(ヨシツネ)という大将がいました。
お兄さんの頼朝(ヨリトモ)は、義経の人気ぶりに嫉妬し義経を攻めました。
義経は「お兄さんとは戦いたくない」と都から逃げました。
そこへ恋人の静(シズカ)が追いかけてきて「自分も連れていって欲しい」と言います。
さらにそこへ、弁慶(ベンケイ)という義経の家来が到着。
弁慶は、義経を追いかけてきた頼朝の家来を討伐してから、遅れてやって来ました。
兄弟仲良くしたい義経は「なんで戦ったのか」と怒ります。
静は、義経に「弁慶を許してあげて欲しい」と頼んで、その場を納めました。
その代わりに自分も連れていくように、弁慶に取り次ぎを頼みましたが「この先は危険だ」と断られます。
それでもだだをこねた静は、最後は木に縛られて置き去りにされます。
その際に義経は「初音の鼓(ハツネノツヅミ)」という太鼓を、自分の形見に、と静に渡します。
残された静のところへ、藤太(トウタ)という頼朝の手下がやってきて、静をさらおうとします。
危ないところへ、忠信(タダノブ)という義経の家来が登場して、藤太をやっつけ静を助けます。
しかし実は、この忠信はキツネが化けて忠信のふりをしているのでした。
なので、ところどころ妖怪のチカラみたいなものを使います。
争う音を聴いた義経たちが静を心配して戻ってきて、忠信の手柄を称えます。
(弁慶がお兄さんの家来を討伐したのはNGだけど、忠信は静を助けるためだったからOK的な)
そして、義経は忠信に「静をつれて安全なところへ行くように」と言います。
静はまた「連れていって欲しい」と言いますが、忠信の妖力に導かれて、義経たちとは違う道へと進んでいきます。
この静の手にある初音の鼓。
キツネの皮が使われているのですが、これが忠信に化けているキツネの両親の皮なのです。
ポンポンと鼓の音がするたびに、忠信はキツネのような動きをしながら、太鼓と静を追いかけていき幕となります。
まとめ
さて、このような物語をあらかじめ知っておくと、舞台を楽しんでもらえると思います。
不思議に台詞なども、意味が5割増しくらいでわかると思います。
歌舞伎座で歌舞伎を見たら、なかなかの金額ですが…
あきる野座の歌舞伎は無料です笑
芸術の秋です。地元で日本人のルーツ、和の時間を過ごして、夜は日本酒で一杯なんていかがでしょう。
秋川歌舞伎あきる野座
(秋川歌舞伎復活30年記念行事・東京文化財ウィーク2022参加事業)
日時:令和4年10月16日(日)
会場:午後1時
開演:午後1時30分
場所:秋川キララホール
入場無料
出演:秋川歌舞伎あきる野座 大人歌舞伎/子供歌舞伎
主催:秋川歌舞伎保存会
助成団体:令和4年度東京都文化財保存事業
後援:あきる野市教育委員会/全日本郷土芸能協会
あきる野座では随時会員を募集しています。
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また、あきる野名物「秋川歌舞伎あきる野座」の記事は書いていきたいと思います^^
ありがとうございました。
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